『大江健三郎全小説 14』(全 15 巻)

『大江健三郎全小説 14』(全 15 巻)


書籍情報
書籍ID b346
著者名 大江健三郎
出版者 講談社
出版年月日 2019(平成31)年2月8日
頁数、判型 総727頁、A5判
構成 本扉、目次 p.1-3、中扉、本文 pp.7-683、「永遠のモラリスト、伊丹十三」(尾崎真理子、初出)pp.684-705、「新しく開いた日本への扉」(エドワード・W・サイード)pp.706-708、「エド ワード・W・サイードとの往復書簡」(大江健三郎/エドワード・W・サイード)pp.709-720、書誌一覧 pp.721-722、編集付記 p.723、ブックデザイン・カバー原稿 p.724、奥付 p.726
収録内容 日常生活の冒険 pp.7-227 /取り替え子(チェンジリング) pp.229-416 /憂い顔の童子pp.417-683
〈表〉ノーベル文学賞作家/喪失から新生へ/「それじゃ、さよなら、ともかく全力疾走、そしてジャンプだ、錘(おもり)のような恐怖心からのがれて!」(斎木(さいき)犀吉(さいきち) 1964 年『日常的な冒険』)/「……そういうことだ、おれは向こう側に移行する、といった後、ドシンという大きな音が響いた」(塙(はなわ)吾良(ごろう) 2000 年『取り替え子(チェンジリング)』)/忽然と去ってしまった親友とは、いったい何者だったのか?/〈親しい友人の死〉 〈裏〉「『取り替え子(チェンジリング)』の終盤、とてつもなく感動的な言葉が登場する。 少年時代の古義人が発熱がおさまらず、不安に襲われ、母親に、「僕は死ぬのだろうか?」と訊ねたところ、みなさんご存知のあの場面だ。母親が言うではないか。 ——もしあなたが死んでも、私がもう一度、生んであげるから、大丈夫。 びっくりした。これほど恐ろしく、理屈に合わず、けれど、なぜか本当に、「大丈夫」と感じられる台詞があるだろうか。(略)大江健三郎さんの小説も同じだ。と僕は勝手に考えている。理不尽で、生きにくい現実を前にした僕たちに対して、「大丈夫だ。今、俺が、もう一度、現実を生んであげるから!」と一心不乱に、現実を生み直してくれたもの、とてもじゃないけれど現実には思えないものの、明らかに現実と地続きの、その奇妙な物語、それが大江健三郎さんの小説だ」——伊坂幸太郎/群像リレーエッセイ「私と大江健三郎」 =「おぼえていることと勝手にかんがえていること」より/講談社創業 110 周年記念企画
装幀 鈴木成一デザイン室
定価 5800円
備考 -

掲載されている作品
日常生活の冒険 (1)
初出文學界 1963年 2月 1日 17巻 2号 pp.47-62
日常生活の冒険 (2)
初出文學界 1963年 3月 1日 17巻 3号 pp.198-216
日常生活の冒険 (3)
初出文學界 1963年 4月 1日 17巻 4号 pp.189-206
日常生活の冒険 (4)
初出文學界 1963年 5月 1日 17巻 5号 pp.190-207
日常生活の冒険 (5)
初出文學界 1963年 6月 1日 17巻 6号 pp.174-191
日常生活の冒険 (6)
初出文學界 1963年 7月 1日 17巻 7号 pp.159-175
日常生活の冒険 (7)
初出文學界 1963年 8月 1日 17巻 8号 pp.144-159
日常生活の冒険 (8)
初出文學界 1963年 9月 1日 17巻 9号 pp.190-202
日常生活の冒険 (9)
初出文學界 1963年 10月 1日 17巻 10号 pp.224-239
日常生活の冒険 (10)
初出文學界 1963年 11月 1日 17巻 11号 pp.185-201
日常生活の冒険 (11)
初出文學界 1963年 12月 1日 17巻 12号 pp.154-174
日常生活の冒険 (12)
初出文學界 1964年 1月 1日 18巻 1号 pp.159-176
日常生活の冒険 (13・完)
初出文學界 1964年 2月 1日 18巻 2号 pp.137-151
取り替え子 (チェンジリング)
初出取り替え子 2000年 12月 5日 講談社 pp.7-342
憂い顔の童子
初出憂い顔の童子 2002年 9月 25日 講談社 pp.9-527