
『大江健三郎全小説9』(全 15 巻)
書籍情報
書籍ID | b341 |
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著者名 | 大江健三郎 |
出版者 | 講談社 |
出版年月日 | 2019(令和1)年5月10日 |
頁数、判型 | 総634頁、A5判 |
構成 | 本扉、目次pp.1-3、中扉、本文pp.7-593、「アメリカの影が差す女性たち」(尾崎真理子、初出)pp.594-612、「大江健三郎の信仰なき慈しみ」(カテリーナ・マッツァ)pp.613-616、「「静かな生活」映画化について」(伊丹十三)pp.617-625、書誌一覧 pp.626-629、編集付記p.630、ブックデザイン・カバー原稿 p.631、奥付 p.633 |
収録内容 | 「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち pp.7-188 /頭のいい「雨の木(レイン・ツリー)」pp.9-24 /「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち pp.25-52 /「雨の木(レイン・ツリー)」の首吊り男pp.53-97 /さかさまに立つ「雨の木(レイン・ツリー)」pp.99-136 /泳ぐ男——水のなかの「雨の木(レイン・ツリー)」pp.137-188 //人生の親戚 pp.189-326 //静かな生活 pp.327-476 /静かな生活 pp.329-344 /この惑星の棄て子 pp.345-374 /案内人(ストーカー)pp.375-388 /自動人形の悪夢 pp.389-416 /小説の悲しみpp.417-441 /家としての日記pp.443-476 //美しいアナベル・リイ pp.477-593 |
帯 | 〈表〉ノーベル文学賞作家が描く誇り高き女性たち/「様ざまに深く理解し合える女性たちと出会ってきた……。そういう人の何人かが一緒になってモデルを構成して、私の小説に登場している」/〈女性的なるものの力〉 〈裏〉初期の作品からずっと読み返してみて、大江健三郎の文学の中で女性の役割が少しずつ増してきたことに気付いた。『個人的な体験』の火見子は外から主人公を支援する者にすぎなかった。『同時代ゲーム』のオシコメの活躍は遠い過去の話だけに印象が薄い。主要なプレイヤーではあるが、ヒロインではない。しかし『人生の親戚』と『治療塔』ではまり恵さんとリッチャンがヒロインである……のではなくヒーローである。ここではヒロインという言葉に込められた受身のセクシズムを排除しなければならない。 ぼくはかつて「世界文学全集」を編集して、二十世紀後半の文学における女性の領土奪還を改めて知った。女流文学ではなく女性文学の隆盛。時代の潮流としてのフェミニズムが彼女らの正統な地位を回復した。大江健三郎は彼個人の文学史においてそれをなぞった。個体発生が系統発生を繰り返すという生物学の仮説のように。——池澤夏樹/『池澤夏樹= 個人編集 日本文学全集 22 大江健三郎』(河出書房新社)「解説」より/講談社創業 110 周年記念企画 |
装幀 | 鈴木成一デザイン室 |
定価 | 5800円 |
備考 | - |