『大江健三郎全作品1 (第I期)』(全 6 巻)

『大江健三郎全作品1 (第I期)』(全 6 巻)


書籍情報
書籍ID b301
著者名 大江健三郎
出版者 新潮社
出版年月日 1966(昭和41)年6月25日
頁数、判型 総394頁、縦 200 横 125 粍
構成 本扉、口絵写真 1 丁、目次 p.1、中扉、本文pp.5-360、「本当に文学が選ばれねばならないか?」(大江健三+I2+H2
収録内容 奇妙な仕事pp.5-18 /死者の奢りpp.19-48 /他人の足pp.49-64 /偽証の時pp.65-97 /飼育pp.99- 138 /人間の羊pp.139-156 /運搬pp.157-170 /鳩pp.171-198 /芽むしり仔撃ちpp.199-315 / 見るまえに跳べ pp.317-360
<表>屍体処理室アルコール槽に浮沈する死者に託し現代青年の絶望を象徴した『死者の奢り』、芥川賞受賞作『飼育』など輝かしい作家的出発を記念する処女作群。 <裏>《全作品》刊行に際してのことば 大江健三郎/これらの小説を書いた二十三歳から三十歳にいたるあいだの僕は、ある作品の性急さとゆがみを非難され嘲笑されるたびに、ひとつの野心を育ててきました。すなわちたとえ個々の作品の名誉回復は不可能であるにしても、それらをひとつながりの展望のうちにおけばそうした性急さ、ゆがみ自体が、逆に、僕の体験し影響されざるをえない、現実世界の影、今日の時代の影を表現するものとして新しい光をおびるのではないか? なぜなら、まさにそのような、現実世界の影、今日の時代の影によって、小説家としての想像力を束縛されざるをえない年齢と状態において、僕はこれらの作品を書いてきたからです。その意味においてのみ僕は、おそらくこの《全作品》に、漱石の悲惨な一人物の「記憶して下さい、私はこんな風にして生きて来たのです」という言葉を課することができるでしょう。
装幀 -
定価 480円
備考 -

掲載されている作品
奇妙な仕事
初出東京大学新聞 1957年 5月 22日 294巻 pp.10-11
死者の奢り
初出文學界 1957年 8月 1日 11巻 8号 pp.118-137
他人の足
初出新潮 1957年 8月 1日 54巻 8号 pp.204-215
偽証の時
初出文學界 1957年 10月 1日 11巻 10号 pp.52-71
飼育
初出文學界 1958年 1月 1日 12巻 1号 pp.27-51
人間の羊
初出新潮 1958年 2月 1日 55巻 2号 pp.180-193
運搬
初出別冊文芸春秋 1958年 2月 28日 通巻 62号 pp.90-99
初出文學界 1958年 3月 1日 12巻 3号 pp.93-109
芽むしり仔撃ち
初出群像 1958年 6月 1日 13巻 6号 pp.14-123
見るまえに跳べ
初出文學界 1958年 6月 1日 12巻 6号 pp.8-36
本当に文学が選ばれねばならないか?
初出大江健三郎全作品1 1966年 6月 25日 新潮社 pp.361-376
年譜
初出大江健三郎全作品 1(第 I 期) 1966年 6月 25日 新潮社 pp.377-387