
『言い難き嘆きもて』
書籍情報
書籍ID | b244 |
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著者名 | 大江健三郎 |
出版者 | 講談社 |
出版年月日 | 2001(平成13)年11月30日 |
頁数、判型 | 338頁、四六判 |
構成 | 本扉、目次pp.1-5、中扉、「『言い難き嘆きもて』のための前口上」(大江健三郎、初出)pp.9-12、本文 pp.13-332、奥付 p.335 |
収録内容 | Iプリンストン通信1)pp.13-50/プリンストンの光pp.15-19(「読売新聞夕刊」平成 8.12.10「新しい暮らしの手紙―プリンストンの光」)/日本人のモラリティー pp.20-24(「読売新聞夕刊」平成 9.5.19「新しい暮らしの手紙―日本人のモラリティー」)/共通の言葉を作ること pp.25-28(「朝日新聞」平成 8.10.2「エルムの木陰より」)/『ヒロシマ・ノート』仏訳 pp.29-32(「朝日新聞」平成 8.11.5「エルムの木陰より―『ヒロシマ・ノート』仏訳」)/鄭義との食事 pp.33-36(「朝日新聞」平成 9.1.20「エルムの木陰より―鄭義との食事」)/トニ・モリソンと『ハックルベリー・フィンの冒険』pp.37-41(「朝日新聞」平成 9.3.11「エルムの木陰より―トニ・モリソンと『ハックルベリー・フィンの冒険』」)/学生たちと食事して pp.42-46(「朝日新聞」平成 9.5.20「エルムの木陰より―学生たちと食事して」)/帰国して思うことpp.47-50(「朝日新聞」平成 9.6.18「エルムの木陰より―帰国して思うこと」)//II人生の細部pp.51-165/オカルト的な「偽態」pp.53-56(「読売新聞夕刊」平成 9.8.4)/クジケぬ人の余裕pp.57-60(「読売新聞夕刊」平成 9.9.1)/具体化される祈りpp.61-64(「読売新聞夕刊」平成 9.10.1)/「遅筆」を推理するpp.65-69(「読売新聞夕刊」平成 9.11.10)/慨嘆するだけでなくpp.70-73(「読売新聞夕刊」平成 9.12.1)/約束についてpp.74-77(「読売新聞夕刊」平成10.1.12)/わが精神(たましい)は怒りに駆られてpp.78-81(「読売新聞夕刊」平成 10.2.2)/家としての文法pp.82-85(「読売新聞夕刊」平成 10.3.2)/日をとらえよpp.86-89(「読売新聞夕刊」平成 10.4.1)/「取り返しつかぬ」はずなのにpp.90-93(「読売新聞夕刊」平成 10.5.6)/新しい人 pp.94-97(「読売新聞夕刊」平成 10.6.1)/プルースト嫌い pp.98-101(「読売新聞夕刊」平成 10.7.6)/おっちょこちょいのとこ pp.102-105(「読売新聞夕刊」平成 10.8.4)/初歩的な算数pp.106-109(「読売新聞夕刊」平成 10.9.1)/一つの秘密pp.110-113(「読売新聞夕刊」平成 10.10.5)/牛の尾pp.114-117(「読売新聞夕刊」平成 10.11.2)/日本人びいきpp.118-121(「読売新聞夕刊」平成 10.12.1)/公、おおやけpp.122-125(「読売新聞夕刊」平成 11.1.14)/日本語の練習pp.126-129(「読売新聞夕刊」平成 11.2.8)/ディケンズびいきpp.130-133(「読売新聞夕刊」平成 11.3.1)/精神的鎖国 pp.134-137(「読売新聞夕刊」平成 11.4.5)/取り替え子 pp.138-141(「読売新聞夕刊」平成 11.5.11)/公正な翻訳 pp.142-145(「読売新聞夕刊」平成 11.6.1)/水滸伝 pp.145-147(「読売新聞夕刊」平成 11.7.6)/本の推薦 pp.150-153(「読売新聞夕刊」平成 11.8.3)/追悼記事 pp.154-157(「読売新聞夕刊」平成 11.9.6)/センチメンタリズムpp.158-161(「読売新聞夕刊」平成 11.10.4)/紡錘形pp.162-165(「読売新聞夕刊」平成 11.11.1)//III沖縄の「魂」から pp.167-204/三十年ぶりの「沖縄ノート」pp.169-171(「朝日新聞」平成 12.5.17「はじめに」)/「美しい言葉」の行く末 pp.172-176(「朝日新聞」平成 12.5.17)/壊れがたく強きもの pp.177-180(「朝日新聞」平成 12.5.18)/大正天皇のクスノキ pp.181-184(「朝日新聞」平成 12.5.19)/自分を歴史に近づける pp.185-188(「朝日新聞」平成 12.5.24)/海上ヘリポートの「城」pp.189-192(「朝日新聞」平成 12.5.25)/ジュゴンと「風景体験」pp.193-196(「朝日新聞」平成 12.5.26)/「反復帰」論の照らす明日 pp.197-200(「朝日新聞」平成 12.5.31)/「日本問題」として解くpp.201-204(「朝日新聞」平成 12.6.1)//IV 言い難き嘆きもて pp.205-281/武満徹のエラボレーション pp.207-235(「すばる」平成13.6)/もうひとりの師匠(パトロン)へpp.236-238(「波」平成 8.3「もうひとりの師匠(パトロン)へ―『時間(とき)の園丁』をめぐって」)/「希有な人だった」pp.239-242(「読売新聞夕刊」平成 8.2.21「「希有な人だった」―永遠の武満徹」)/この人に導かれて祈る確かさ pp.243-244(「東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルオープニング記念誌」平成 9.9.10)/宇宙にとどまる花 pp.245-250(「毎日新聞夕刊」平成 10.4.15)/安江良介、志のリアルな持続 pp.251-254(「朝日新聞」平成 10.1.8「安江良介氏の死におもう―志のリアルな持続」)/微笑しながら、あるいは視線をそらして真面目な顔になってpp.255-258(「世界」平成 10.3)/大岡昇平さんは生きているpp.259-270(『昭和末』2)平成 1.10.26「大岡さんは生きている―『昭和末』解題」)/『死霊』の終わり方 pp.271-281(「群像」平成 11.4)//V自作をめぐって pp.283-332/マイアミの書籍市、自作朗読 pp.285-294(「新潮」平成 9.1)/ドイツの朗読会で pp.295-299(講談社文芸文庫『僕が本当に若かった頃』平成 8.8.10「著者から読者へ・ドイツ朗読会で」)/ユマニスムに向かって pp.300-302(「朝日新聞夕刊」平成 6.8.23)/すでに懐かしい本pp.303-307(「本」平成 8.5)/宙返りpp.308-314(「新潮」平成 8.9)/『宙返り』をめぐる七つの即興pp.315-320(「本」平成 11.7)/センダックの贈り物pp.321-326(「本」平成 12.12「センダックの贈り物―私が「取り替え子(チェンジリング)」です!」)/記憶してください、私はこんなふうにして書いてきたのです。pp.327-332(「波」平成 10.1) |
帯 | <表>生の特別な日々がむすぶエッセイごとの「小さな物語」/この世界を生きるための心の姿勢と希求/待望のエッセイ集 <裏>これをいま書いておかなければ、そのような経験や思考があったことすらすぐにも忘れてしまう、つまりこのいまは、生きなかったと同じになるだろう、という思いがあるのです。ここに編集した五年間のエッセイには、そのようなかたちで自己の再認識が表われているはずです。それもエッセイごと『小さな物語』を作るスタイルができあがっているように思います」――大江健三郎 |
装幀 | 菊地信義 |
定価 | 1700円 |
備考 | 1) 1996 年 9 月から 1997 年 5 月までプリンストン大学客員講師として滞在していた間に書かれたもの。10 回にわたって送信されているが、年代順に並べると以下の通りである。①共通の言葉を作ること〈エルムの木陰より〉1996 年 10 月 2 日、②『ヒロシマ・ノート』仏訳〈エルムの木陰より〉1996 年 11 月 5 日、③プリンストンの光〈新しい暮らしの手紙〉1996 年 12 月 10 日、④鄭義との食事〈エルムの木陰より〉1997 年 1 月 20 日、⑤それぞれの人生の物語〈新しい暮らしの手紙〉1997 年 2 月 27 日、⑥トニ・モリソンと『ハックルベリー・フィンの冒険』〈エルムの木陰より〉1997 年 3 月 11 日、⑦大学出版局の地道な努力〈新しい暮らしの手紙〉1997 年 4 月 9日、⑧日本人のモラリティー〈新しい暮らしの手紙〉1997 年 5 月 19 日、⑨学生たちと食事して〈エルムの木陰より〉1997 年 5 月 20 日、⑩帰国して思うこと〈エルムの木陰より〉1997 年 6 月 18 日。本書では、⑤と⑦ が割愛されている。 2) 大岡昇平著。 |