『言葉によって―状況・文学*』

『言葉によって―状況・文学*』


書籍情報
書籍ID b214
著者名 大江健三郎
出版者 新潮社
出版年月日 1976(昭和51)年5月25日
頁数、判型 総298頁、B6判
構成 本扉、目次pp.1-3、中扉、「*プロローグ・同じ言葉によって」(大江健三郎、初出)pp.7-10、本文 pp.11-289、初出誌一覧 p.291、奥付 p.293、奥付裏広告 pp.294-296
収録内容 1受け身はよくない(状況・一九七二)pp.11-29(「世界」昭47.11) /2言葉によって(講演)pp.31- 58(「図書」昭 48.7) /3力としての想像力(講演)pp.59-84(「図書」昭 48.11) /4この一年、そして明日 (状況・一九七四)pp.85-108(「世界」昭 49.9) /5未来の文学者 (文学)pp.109-132(「新潮」昭 50.1) /6ソルジェニーツィン『収容所群島』の構造(講演)pp.133-155(「すばる」昭 50.3) /7表現された子供(講演)pp.157-192(「図書」昭 50.9) /8にせの言葉を拒否する (状況・一九七五)pp.193-210(「世界」昭 50.11) /9全体を見る眼(講演)pp.211- 238(「図書」昭 50.12) / 10 諷刺、哄笑の想像力 (文学)pp.239-262(「新潮」昭 51.1) / 11道化と再生への想像力 (文学)pp.263-289(「新潮」昭 51.3)
<表>あらゆる非人間的《状況》に抗議する文学者の証言/金大中の誘拐拉致、金芝河の再逮捕、ソルジェニーツインの国外追放、……異様、陋劣、粗暴な状況に抗して書かれた《政治的評論》と《文学論》《講演》など 11 篇。 <裏>言葉によって、僕はつねに新しい経験へとつき出される。現在、この場所に刻印づけられながら、しかも時空を自由に横切るようにして。……僕をその中に置く言葉の流れが、全体生をかちとってゆくことを僕は志向する。その言葉の流れの構造は、ひとつの極に小説の言葉を置き、大きさにおいてそれに見合うような、小説よりほかのすべての言葉をもうひとつの極に置いて、……すくなくとも僕はそのような構造を夢想する。……/ここに編年体……で本にした文章は、僕が自分の仕事の中心に小説をすえながら、自分の言葉の流れのその構造を確かめるようにして書き、あるいは語った、文学、状況、そしてしばしばそれらをふたつ重ねるようにしての講演の記録である。僕はこの三種の文章が、統一的な同じ言葉によって書かれているように感じる。客観的にそれがそうであることを希望もする。……(「プロローグ・同じ言葉によって」より)
装幀 司修
定価 950円
備考 -

掲載されている作品
この1年、そして明日
初出世界 1974年 9月 1日 346巻 pp.10-23
未来の文学者
初出新潮 1975年 1月 1日 72巻 1号 pp.272-285
にせの言葉を拒否する
初出世界 1975年 11月 1日 360巻 pp.23-32
諷刺、哄笑の想像力
初出新潮 1976年 1月 1日 73巻 1号 pp.252-266
道化と再生への想像力
初出新潮 1976年 3月 1日 73巻 3号 pp.100-115
プロローグ・同じ言葉によって
初出言葉によって ―状況・文学* 1976年 5月 25日 新潮社 pp.9-10