
『洪水はわが魂に及び・下巻』
書籍情報
書籍ID | b119 |
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著者名 | 大江健三郎 |
出版者 | 新潮社 |
出版年月日 | 1973(昭和48)年9月30日 |
頁数、判型 | 総254頁、B6判 |
構成 | 本扉、目次 p.1-3、中扉、本文 pp.7-246、奥付 p.249、奥付裏広告 pp.250-252 |
収録内容 | 洪水はわが魂に及び (下)pp.7-246 第十三章 「縮む男」の審判pp.7-30 /第十四章 「鯨の木」の下でpp.31-52 /第十五章 逃亡者・追跡者・残留者pp.53-76 /第十六章 性的な微光にむかって(一)pp.77-101 /第十七章性的な微光にむかって(二)pp.102-125 /第十八章 性的な微光にむかって(三)pp.126-149/第十九章 鯨の腹の中より (一)pp.150-173 /第二十章 鯨の腹の中より (二)pp.174-196 /第二十一章 鯨の腹の中より(三)pp.197-221 /第二十二章 大水ながれきたりて我がたましいにまでおよべり pp.222-246(以上初出) |
帯 | <表>第 26 回・野間文芸賞受賞作/《著者の言葉》僕は六〇年代後半から、七〇年初めにかけてこの小説を書いていた。現実に深くからみとられている僕が、あらためてこの時代を想像力的に生きなおす。それがすなわち小説を書くことなのであった。いまや「大洪水」が目前にせまっているという声は、一般的になっている。その時、想像力的に同時代を生きなおす、ということには現実的な意味があるであろう。 <裏>*朝日新聞《文芸時評》より……丸谷才一氏評/……大江は死と破滅と優しさと幸福にみちた世界を、あるいは暴力のごく近くを性と育児の喜びが染めている世界を、(中略) あざやかに提出する。そこにはたしかに、今日のわれわれの状況を形而上的なものまで含めてまるごととらえようとする情熱の収穫がある。/*読売新聞《書評》より/力作である。ぐいぐいと読みてを背後から押すように促しつづける作家の筆力には、抑えがたい激しさがある。おそらく作家もまた、自らのモチーフにぐいぐい背後から押されるようにしてこの作品を書き進めたのではないか。『洪水はわが魂に及び』を貫く魅力は、何よりまず、それが、いまここにこの作品を書かねばならないと思いさだめた作家の突きつめた激情のかたちであることだ。…… |
装幀 | 司修 |
定価 | 820円 |
備考 | 第 26 回野間文芸賞受賞 |