
『洪水はわが魂に及び・上巻』
書籍情報
書籍ID | b118 |
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著者名 | 大江健三郎 |
出版者 | 新潮社 |
出版年月日 | 1973(昭和48)年9月30日 |
頁数、判型 | 総254頁、B6判 |
構成 | 本扉、目次 pp.1-3、中扉、本文 pp.7-246、奥付 p.249、奥付裏広告 pp.250-252 |
収録内容 | 洪水はわが魂に及び (上)pp.7-246 第一章 核避難所pp.7-23 /第二章 貝殻からはみだすpp.24-42 /第三章 見張りと威嚇pp.43-60/第四章 対決する・対決させられる pp.61-82 /第五章 「鯨の木」pp.83-104 /第六章 あらためて「鯨の木」についてpp.105-126 /第七章 「ボオイ」抵抗すpp.127-146 /第八章 「縮む男」pp.147-154 /第九章 大木勇魚の「告白」pp.165-184 /第十章 相互教育pp.185-208 /第十一章 自己訓練としての犯罪pp.209-224 /第十二章 軍事行動を舞台稽古するpp.225-246(以上初出) |
帯 | <表>第 26 回・野間文芸賞受賞作/《著者の言葉》僕は遠方からおしよせる「大洪水」の水音を、ふたつの世代の人間の想像力のうちに、またかれらの行為と実存のうちに、共震する響きをつうじてとらえようとした。その、しだいに増大するコダマは、ついに全的なカタストロフィを構成せざるをえない。しかもなおそれを生き延びる、人間の赤裸な意志の光において、僕は「大洪水」を照らしだすことを望んだのである。 <裏>*朝日ジャーナル《書評》より……山田稔氏評/……原水爆、公害、性、癌(勇魚の義父は喉頭癌で死にかかっている)、そして国家権力―これら現代社会の「暴力的なもの」を手がかりとして、今日の人間を表現しようという大江健三郎の問題意識が、ここに出そろっている。そしてこの暴力的状況を「魂」の問題としてうけとめ、それに敢然と立ちむかおうとする作家の深い決意が読者に迫ってくる。/*サンケイ新聞《書評》より……磯田光一氏評/……この長編は、大江健三郎氏のこれまでの仕事の総決算であるとともに、現代という悪夢の時代にいどんだ壮大な野心作である。……悪夢ようなリアリティをもったこの小説の世界には現代日本の普通人の日常生活はあらわれない。作者のめざしているのは、どこまでも現代の精神状況の象徴的な定着と、そこからの活路の探究にあったと思われる。 |
装幀 | 司修 |
定価 | 820円 |
備考 | 第 26 回野間文芸賞受賞 |