『芽むしり仔撃ち』

『芽むしり仔撃ち』


書籍情報
書籍ID b102
著者名 大江健三郎
出版者 大日本雄辧會講談社
出版年月日 1958(昭和33)年6月25日
頁数、判型 総250頁、B6判
構成 本扉、中扉、目次 p.3、本文 pp.5-245、奥付 p.247
収録内容 芽むしり仔撃ち pp.5-245 第一章 到着pp.5-34 /第二章 最初の小さい作業pp.35-61 /第三章 襲いかかる疫病と村人の退去 pp.62-77 /第四章 閉鎖 pp.78-102 /第五章 見棄てられた者の協力 pp.103-131 /第六章愛 pp.132-150 /第七章 猟と雪のなかの祭 pp.151-176 /第八章 不意の発病と恐慌 pp.177-200 /第九章 村人の復帰と兵士の屠殺pp.201-225 /第十章 審判と追放pp.226-245(以上「群像」昭 33.6)
<表>全讀書界注目の新人、待望の長篇第一作 <裏>渡邊一夫/當年二十二歳の大江君が今まで發表した幾多の作品は、色々な缺點はあるにしても、我が國の文學に新しい道を招いたと思はれます。『芽むしり仔撃ち』は、量質ともに、今までの同君の創作を凌駕し、同君にとって重要な道路標となるでせう。作中の少年の心と行動とは、現代社會内に於ける若い世代の代辯とも言へませうし、大江君の作品の新しい發展の契機を秘めてゐるかもしれません。/江藤淳/「芽むしり仔撃ち」における大江健三郎氏には、さながら白馬にうちのって妖怪と闘う騎士ガウェインのおもかげがある。妖怪とは、われわれを知らぬ間に拘束し、堕落させる現代の偽瞞のことであり、白馬とは、彼のうちにある豊饒な才能のことである。さらに、作者のストイックな倫理は、この戰闘をひとつの鮮明な世界の造型にまで高めえている。
装幀 品川工
定価 280円
備考 -

掲載されている作品
芽むしり仔撃ち
初出群像 1958年 6月 1日 13巻 6号 pp.14-123